■摩天楼オペラ(マテンロウオペラ)
バンド名にも体現されている、クラシカルな様式と現代的エッセンスを多分に融合させた個性的な音楽性。2007年に結成され、翌年にはヨーロッパ・ツアーを経験するなど、若手実力派としてインディーズ時代から様々な場面で話題となり、シンフォニックかつドラマティックなマテリアルの数々は、以前にも増して完成度の高いものとなっています。
『PURE ROCK JAPAN LIVE』には今回で5回連続の出演となります。新たなギタリストにテクニカルかつプログレッシヴなプレイを得意とする優介を迎えた編成で制作された最新アルバム『真実を知っていく物語』は、新たな代表作と呼んでも過言ではないでしょう。同作発表後は精力的に国内をツアーしており、バンド自体も好調な仕上がりを見せています。来る5月4日にZepp Hanedaで開催される自身の16周年記念公演は、すでにチケットがソールドアウトしています。
そんな前進する勢いに満ちた摩天楼オペラが、今回のステージにどのように臨むのか、ぜひ注目していただきたいところです。
https://www.matenrou-opera.net
■Unlucky Morpheus(アンラッキー・モルフェウス)
『PURE ROCK JAPAN LIVE 2019』以来の出演となる、LIGHT BRINGERを始め、Fuki Commune、DOLL$BOXXでも類稀なる歌唱を披露してきたFuki(vo)を擁するUnlucky Morpheus。特に昨今の活躍は凄まじく、ライヴに関して言えば、2021年には東京・豊洲PIT、2022年にはZepp DiverCityでの公演を成功させています(両公演を収録したライヴ映像作品も発表し、それぞれオリコン・チャート上位にランクイン)。
現時点での最新アルバム『evolution』は、新世代のメロディック・スピード・メタルならではの勢いを詰め込みつつ、その魅力を音楽的にも幅広くまとめ上げた、近年の国内メタル・シーンにおける筆頭の名盤の一つと言っていいでしょう。多方面に活動する女性ヴァイオリニスト、Jillの存在も鮮烈な個性の一つとなっています。
最近のライヴを目撃した人であれば、高い演奏力から見せるステージングまで、その凄まじい説得力のパフォーマンスに頷かされるはずです。
■Aldious with 大山まき(アルディアス)
昨今のガールズ・メタル・バンドの隆盛の起点に、Aldiousの活躍があったのはもはや言うまでもありません。結成以来、幾度もの危機に見舞われながらも、2008年に結成されて以来、精力的な活動を続けてきた屈強さは、バンドの根源でもあるでしょう。
前回の『PURE ROCK JAPAN LIVE 2021』にはラインナップされていながら、メンバーもまったく予期していなかった突然のヴォーカリスト脱退に見舞われて、開催直前になって無念にも出演をキャンセル。今回はそのリヴェンジ公演とも言えるもので、バンド自身もかなりの気概で臨んでくれているようです。
シンガーに迎えられるのは、昨今のライヴでもサポートを務めてきた大山まき。LOUDNESSのメンバーを始め、敏腕ミュージシャンとの数多くの共演を果たしてきた彼女の力強い絶唱は、Aldiousにまた新たな魅力をもたらしています。
■TEARS OF TRAGEDY(ティアーズ・オブ・トラジディ)
『PURE ROCK JAPAN LIVE』には初めての出演となる、HARUKA(vo)、TORU(g)、HAYATO(key)からなるバンド(サポートはベースを種子島洋二、ドラムをMAKIが務める)。昨今はライヴ自体の本数が少なくなっていましたが、昨年8月に行われた東京・新宿BLAZE公演は大盛況に。不動のファンベースが確立していることを改めて知らしめました。
メロディック・スピード・メタルと90年代J-POPを融合させたとも言えるユニークな音楽性も唯一無二のものです。レギュラーのスタジオ・アルバムとしては2020年発表の『TRINITY』が最新作となりますが、その完成度の高さは同業のミュージシャンたちも認めるところです。2022年にはアコースティック・アレンジを基盤とした『&』もリリースして懐の深さを提示しつつ、追って配信リリースされた新曲「Epitaph」は、プログレッシヴな要素も交えたドラマティックな仕上がりになっています。
ついに登場するTEARS OF TRAGEDYの初陣はどのようなものになるのか。彼らを初めて観る多くのオーディエンスを惹き付けるパフォーマンスとなるはずです。